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Googleディスプレイ広告が暴走して、日予算がいびつに消化されてしまう時の対処法
目次
ディスプレイ広告の出稿が暴走する現象に遭遇したことはありませんか?
皆さんこんにちは、株式会社カブキ代表の片川です。
今日はGoogleディスプレイ広告に関する投稿です。
みなさんは、ディスプレイ広告の出稿が暴走する現象に遭遇したことはありませんか?
私はこの現象と半月の間格闘することになりました。
例えばこちらのグラフを御覧ください。
上記では一日の予算(ここでは1万円/日)配分が12時前後に集中して使い果たしてしまっており、夜にまったく出稿できていません。
本来Google広告では出稿量を一日の中で均等に割り振ろうとするため、こんなことにはならないはずなのですが・・・
夜に発生していたかもしれない成果を考えると、「なんだかもったいない!」と感じてしまいますよね。
今日はこの解消に取り組んだ事例のお話しです。
今回問題があったアカウントの概要
当社ではオンライン転職フェアというポストコロナ事業に取り組んでいます。
転職検討中の方にこのイベントを知っていただくために、
少ないお金と知恵を絞っていろんなことに挑戦しています。
※ このコラムをご覧のWebマーケッターの皆様、ご参加をお待ちしております!
その一つがGoogleディスプレイ広告。
これだけで50~60万円/月(¥5,000~¥20,000/日)を投下しています。
広告のオーディエンスとしてはありきたりですが「転職予定のユーザー」や「求人情報に興味がある方」を対象にしていたキャンペーンでの事例となります。
一般に求人情報は就業後の夜間に検討すると思いますので、上記のように配信時間がお昼に偏ってしまうのが悩みの種でした。
① 予算を上げてみた
実はこのキャンペーンでは当初から管理画面にて予算アップを推奨されていました。
とにかく日額予算が足りないのは間違いなさそうでしたので、日額予算を¥5,000 → ¥10,000に引き上げてみました。
まるで成長してない・・・
その上Googleからはさらなる値上げを推奨される始末。
いやいやちょっと待ってくれよ!!(怒)
昨日倍にしたばかりなのに、今度は6倍推奨というのは、まるで羽毛布団のセミナー詐欺みたいでどう考えてもおかしい。
(元から信じてないけど)これは本格的にアテにならなそうだぞ・・・
② 時間を絞ってみた
次に考えたのは、ユーザーが仕事を終える夜に出したい、という意図であればいっそ昼の配信を止めてしまおう、という作戦です。
ところが、これは完全に悪手でした。
このグラフを見てください。
20~21時の1時間で配信が終わっています。実質的に夜になるやいなやすべての予算を使い果たしていたのです。
※ ちなみにこの時点でGoogleにかすかな望みをかけていた僕は日額予算を1万円→3万円に引き上げていたりします。
にも関わらずおまえってやつは・・・
この対策も全然だめです。
③ オーディエンスの拡大をオフにしてみた
この時点で気付いたことがあります。
「拡大」。なんだこれは。
しかも費用のちょうど半分を使っているぞ。
(注)この値は通常のキャンペーン概要では閲覧できません。「キャンペーン」>「オーディエンス」の順に遷移して初めて表示されます。
つまり指定したオーディエンスの倍近く、Googleが勝手に拡大解釈して配信しているということ?
そのせいで予算が不足しているって言われるのは、なんか理不尽じゃないですか?
色々触った結果以下のメニューにいきつきました。
このスライダーはデフォルトでは画像の位置にある(つまり自動的に一定量拡張される仕様)なのですが、今回の場合この部分に予算の半分をもっていかれていた計算になります。
なるほど、おまえか・・・
リスティング広告運用で有名な、「キーワードマーケティング」社の滝井CEO(@hidenoritakii)のツイートをご紹介します。
この設定の扱いは難しいですよね。保守的な設定をしつつ、ここぞというときに慎重に使うイメージですかね。 https://t.co/p0yL7fr1Vg
— 滝井秀典 キーワードマーケティング CEO (@hidenoritakii) June 30, 2020
慎重に使う、なるほどっ!!・・・
※ ちなみにオーディエンスの拡大設定は以下から変更できます。
④ 目標コンバージョン単価を引き下げてみた
そもそもこちらのキャンペーンは6月から入札戦略を「目標コンバージョン単価」に変更していました。
(注)それまでは運用実績が不足していたために「クリック数の最大化」にて運用していた。
緊急事態宣言中は広告主各社が軒並み広告をストップしていたようで、
クリック単価が極めて低価でこの戦略のパフォーマンスは非常に良かった。
ターゲットの拡張をオフにするのに合わせて、
目標とする単価を大幅に引き下げてみました。(¥800 → ¥400)
¥800はこれまたGoogle広告推奨の値だったのですが、
実際にはここ数字間¥450前後にて獲得できており、
設定値が高すぎるあまり、過剰に強気で入札されている可能性があると考えたのです。
結果。
うーん、なんかこう、微妙。惜しいです。
また21時で予算使い切ってるし。
まだ前のめりにいきたい悪癖を感じます。
でも単価を下げる作戦はよさそうですね。
⑤ 入札戦略を「クリック数の最大化」に変更して、さらに昼間の入札調整を引き下げてみた
こうなったら「目標コンバージョン単価」での出稿を諦めましょう。
問題はGoogleの入札が強気すぎることなので、
Google広告の管理画面では非推奨とされている設定ですが、
入札戦略を「クリック数の最大化」に切り替えて調整することにしてみます。
「上限クリック単価」を低め(これまでの平均が¥40でしたので、上限クリック単価はRTBを考慮して平均より気持ち高めの¥50)に設定して、さらに非コアタイムである13時~17時の入札をマイナス30%で調整することに。
すると・・・
おお!!これこれ!!
これこそ理想の配信カーブです!!
肝心のコンバージョンも前より出ています。
クリック単価が低すぎて予算(この時は¥10,000/日)が使い切れていないので上限クリック単価はをもう少し引き上げるか、
昼間(ここでは13時~17時)の引き下げ幅を緩めてもよさそうですね。
まとめ
【総論】Googleの機械学習は信用しすぎちゃダメ!!機械学習とうまく付き合う設定を模索する。
【各論】予算不足で配信時間が偏る時は
(0)すぐに予算を上げる必要は無い。
(1)まず「ターゲットの拡張」をオフにする
(2)次に「目標コンバージョン単価」を引き下げる。
(3)それでもダメなら入札戦略を「目標クリック単価」を下げる。
(4)合わせてコアタイム以外の入札引き下げを検討する。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
なお、弊社自身は大規模サイトのSEOコンサルティングに強みを持つ会社で、
原則、他社様のリスティング広告の運用代行は行っておりません。
そこでこのコラムをご覧になったリスティング広告の運用代行会社様、
弊社のSEOのお客様のリスティング広告運用になどにもしご興味がございましたら、
ぜひ協業のお話しなどさせていただけますと幸いです。
2020年7月8日追記
今回の体験をSNSでシェアしたところ、株式会社JADE 取締役の小西一星さん(@isseik)からとても貴重なご意見をいただきました。
あくまで経験則での意見ですが、配信時間の偏りは恐らく拡張が関係しているわけではないのではないと思います。これは上手くいくことも失敗することもありますが必ずしもこれが悪さをするというものではありませんし、お見受けするところ、コンバージョン取れてもいますよね、成功と見えます。(続
— 小西一星(有効) (@isseik) July 8, 2020
※ スレッド化されている続きの部分もぜひ御覧ください!
以下は筆者による要約です。
- ・今回の場合、配信時間の偏りに「拡張」は無関係である可能性が高い。
- ・クリック単価性も機械学習を使っているわけで、「機械学習を信用しない」というのは表現として不正確。
- ・どの機械学習モデルが正解となるかがさっぱりわからないからいろいろ試す姿勢がおすすめ。
- ・結果としてコンバージョン最適化系でないものが最もCVを生む事も多い。
これはまさに!という感じですね。
それにしても望めばこれを時間別・クリエイティブ別・LP別などの軸でキャンペーンを分けて検証する事も可能なわけだから、
PPCには本当に底なし沼のような奥深さがありますね。
小西さん、アドバイスをいただきありがとうございました!
片川創太
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